医療に関する用語集
あ行
【亜急性期】
頚椎捻挫においては厳密には決まっていず、受傷後3ヶ月以内あるいは6~8週間というのが一般的。急性期が組織の損傷から炎症反応が持続する期間であるのに対し、亜急性期は炎症反応が落ち着いて、損傷した組織に瘢痕組織形成が進む期間。
【アスピリン】
非ピリン系・非ステロイド性の消炎鎮痛剤。副作用は胃腸障害、耳鳴り等。
【アドソンテスト】
鎖骨下動脈の脈の変化を診ることで神経束の圧迫を調べる検査方法。
【アプレイテスト】
半月板の損傷を確かめるテスト。
【アライメント異常】
骨の並び方の異常の事をいう。脊椎(頚椎、胸椎、腰椎、仙椎など)で用いられることが多いようであるが、下肢アライメントといえば、大腿骨、脛骨、距骨、踵骨等、手根骨アライメントといえば、月状骨や舟状骨などの並びの事を指す。頚椎は正常な状態では横から見ると、軽く前弯して整列している。頚椎の周りには、神経、動脈、静脈などが走行しており、椎骨の整列が乱れれば、それらを圧迫する等して様々な症状が出てくる。
【アリナミン静脈注射】
嗅覚障害の認定は、原則的にはT&Tオルファクトメータによる基準嗅力検査によるものとされているが、アリナミン静脈注射(アリナミンFを除く)による静脈性嗅覚検査によることもできる。
交通事故では、頭部外傷後に嗅覚障害となる方が多いが、減退か脱失かで後遺障害の認定等級が異なる。嗅覚脱失では、後遺障害逸失利益を否定されるケースもある。
【アレンテスト(Allen test)】
橈骨動脈と尺骨動脈のどちらが閉塞しているかを調べるテスト。
【アロディニア】
正常では痛みを起こさない刺激で起こる痛み。侵害受容性の痛み、神経障害性の痛み、CRPSなどで認められるが、慢性背部痛、繊維筋痛症、心因性の痛みでも起きる。毛筆などを皮膚にあてて動かした際、毛筆を皮膚にあてる、軽く指などで押えるなど温、冷刺激で起こる。治療法も神経ブロック、神経切除術、理学療法、心理療法、漢方等が行われている。交通事故では後遺障害等級認定や素因減額について問題になる。
【アンギオグラフィー】
血管造影法 MRA(MRアンギオグラフィー)。これにより血管が鮮明に描写される。交通事故では四肢などの動脈の損傷や、頭部外傷によるくも膜下出血等の検査のために撮影される事がある。
【罨法(あんぽう)】
温罨法 温湿布やホットパック。暖める事によって血管を拡張し、血液の循環を良くして炎症や疼痛を除去する。
冷罨法 冷湿布や冷パップ、氷枕など。冷やす事によって血液循環を抑え、組織の新陳代謝を低下させて、消炎、鎮痛を図る。
【イートンテスト(Eaton test)】
頚椎神経根の症状誘発テスト。頭を痛まない側に傾け、痛む側の腕を斜め下方に引き、神経を牽引するようにする。痛みが再現されれば陽性(+)。
【医療同意書】
診断書やレセプトを第三者が取得する場合、医療機関に提出を求められる。
【インレー】
歯の一部を削って詰め物をしたもの。損傷が小さく、インレーやポストインレーを行なうに留まる歯牙は、後遺障害等級認定の補てつ歯には含まれない。レジン(白いプラスチック)や合金を使うのが普通。ポストインレーとは根管内まで合金釘が達するものをいう。
【インドメタシン】
非ステロイド性の消炎鎮痛剤。
関節リウマチ,変形性関節症,変形性脊椎症,手術後・外傷後の炎症・腫脹などの解熱・鎮痛に用いる。
【インフォームドコンセント】
説明と同意。交通事故においては、医師と患者のコミュニケーション不足が新たな問題点を形作っているケースがある。コミュニケーション不足は、後遺障害等級認定にも影響を及ぼすので、治療段階からの注意が必要。
【うつ病】
交通事故においては、もともと素地としてあったものや、被害者の性格的・心因的な要因が大きく影響するものと思われる。
【エデンテスト(Eden test)】
胸郭出口症候群の診断に用いられるテスト。
胸を張り、両肩を後ろ後方に引き、橈骨動脈の脈拍が減弱あるいは停止するかどうかを見る。
【黄色靭帯骨化症(OYL、OLF)】
脊柱は靭帯で覆われ支持されている。黄色靭帯もその一部で、下位胸椎が好発部位とされている。足底の異常な感覚から発症し、痙性対麻痺の状態に至る事がある。交通事故で靭帯が骨化するのではなく、事故前より身体的な素因があったとして、素因減額の対象とされる場合がある。
【オージオメータ】
純音聴力(閾値=反応を起こさせる、最低の刺激量)レベル測定に使用される。この検査によって平均純音聴力レベルを測定し、障害等級の認定が行われる。労災基準では聴力検査は3回行う事とされ、検査と検査の間隔は7日程度あければ足りるとされている。認定は2回目と3回目の平均値により行われる。
【凹足(おうそく)】
足部の変形。縦のアーチが増強した状態。
【温泉治療】
温泉の効果を利用して病気の治療、心身の機能回復を行うものです。
か行
【外傷後ストレス障害(PTSD)】
突然の衝撃的出来事を経験したことで生じる精神障害。
【介達牽引】
牽引療法は筋緊張や炎症の沈静化、骨折の整復などの目的で行われる。介達牽引はスピードトラック牽引、グリソン牽引、骨盤牽引などの方法がある。いずれもゴムやコルセットなどを装着し、牽引する。
【開張足】
足部の変形。前足部が扇状に広がり、横アーチが消失した状態。
【外転足】
足部の変形。前足部が水平面で外側へ向いた状態。
【灰白質】
神経細胞の集まり。
【外反ストレステスト】
側副靭帯のテスト。
【外反足】
足部の変形。踵部が外方に回転した状態。
【外反扁平足】
足部の変形。踵部が外反し、縦アーチが平らになった状態。
【開放骨折(open or compound fracture)】
骨折した部分の皮膚などが破れて、骨折部が外界に露出したものをいう。軟部組織の損傷の程度により、typeⅠからtypeⅢ-Cに分類される。
【外傷的出来事】
実際に又は危うく死ぬ、又は重傷を負うような出来事に直面し、強い恐怖、無力感又は戦慄に関するもの。
【カイロプラクティック】
手技により人の持つ自然治癒力を引き出す。日本では国家資格とされておらず、誰でも看板を掲げることが出来るので信頼できる治療先を見つけることが重要である。交通事故では、基本的に治療費支払の対象とはされていない。
【カウザルギー】
外傷性の神経損傷によって発生する灼熱痛や非有害刺激で正常な皮膚に起る疼痛の事。
【画像所見】
X線検査などでの症状・データなど、画像上での異常のある、無しの診断。
【肩引き下げテスト(shoulder depression test)】
頭を痛まない側に傾けると同時に、反対側の肩を押し下げる。痛みがあれば陽性。神経根等が圧迫されている事が考えられる。
【ガドリニウムMRI】
ガドリニウムは64番元素の金属。MRIの造影剤として使われる。ガドリニウム造影脳MRIによる硬膜下腔拡大、硬膜増強効果等は、低髄液圧症候群の髄液漏れを示唆するとされている。低髄液圧症候群の画像診断は、他にRI脳層シンチ、MRミエログラフィが行われている。
【かなひろいテスト】
かなで書かれた短文を読みながら、決まった文字が出て来たら印をつけ、同時に文章の意味理解を問うもので、1度に2つの事を処理する能力を測る検査。
【カパンジー法】
関節運動の改善や安定を図るために、尺骨の一部を離断し橈骨に固定したりする手術。
【ガレアッチ脱臼骨折】
橈骨骨折に尺骨遠位端の脱臼骨折を合併したもの。
【眼窩(がんか)】
眼球が収まっているくぼみの部分。交通事故では、しばしば眼窩骨折が見られる。眼窩は、上壁、下壁、外壁、内壁に分けて考える事が出来る。 眼窩骨折は、視力障害を伴うことが多く、顔面を強く打つと、眼窩内の圧力が高まり、骨の薄い眼窩下壁部が骨折して 下方に落ち込む。(眼窩底吹き抜け骨折)重症の場合は、上方視が制限され、複視もみられる。
【眼球振盪(がんきゅうしんとう)=眼振(がんしん)】
上方、正面、下方、あるいは右方、左方など、どの方向を見ると眼振が起こるか、また、眼振の方向は水平か垂直か、回転性か、その他、頻度や振幅、めまい、耳鳴り等の有無が観察される。交通事故で、眼振が後遺症として残った場合は、その原因により12級に認定される場合もある。
【観血手術・観血術・観血的治療】
皮膚や筋肉を切開して行なう手術。手術療法。
【冠状面(かんじょうめん)】
CTなどの撮像方向。水平面。冠状横断面。
【関節鏡】
形状は細いスコープ。関節内部の損傷をモニターテレビを介し、直接視認することが出来る。MRIではわからない軟骨や半月板などの損傷も確認可能。MRIに比べれば人体への侵襲が強いので、この検査がおこなわれるのは限られた場合になる。
【関節拘縮】
関節の可動域の制限された状態。関節包や靭帯の癒着等によって起きる。
【関節弛緩】
関節の可動域が過剰、あるいは異常な方向へ可動する状態。
関節包や靭帯の断裂などにより起きる。
【関節造影】
画像検査で造影剤を用いて、観察したい軟部組織などを増強する手法。
【関節不安定性】
靭帯が損傷し関節に異常な運動が認められる場合をいう。
【偽関節】
骨折した部位の癒合の進行が止まり、正常に癒合せずに、骨髄腔が閉鎖された状態。
本来曲がるべきでない部位が、骨折のために曲がってしまう為に、偽関節と呼ばれる。
【器質的変化】
組織が元の形態に戻らない変化、器質的損傷、器質的疾患といいます。
【機能的変化】
組織の形態には変化がないものの、その動きに変化があるような場合をいいます。
【ギプス】
石膏の事。
【ギプスシーネ】
添え木の事。
【ギプスシャーレ】
固まったギプスをカットして半分だけ使う事。
【記銘力】
新しく物事を憶える力。
【ギャッチアップ】
人名由来の言葉。Dr.Willis D. Gatchが考案したベッドから来ている。
ベッドの背を立てて、椅子のように上半身を起こした状態にする事。
【急性期】
頚椎捻挫では受傷後3~4週間。
【胸郭出口症候群】
胸郭出口部を通る動脈、静脈や腕神経叢が何らかの原因により圧迫される事により引き起こされる。モーレイ、アドソン、ライト、エデン等のテストにより症状の誘発が見られる。
【キルシュナー鋼線】
直達牽引や骨の内固定などに使われる鋼線。
【近位】
四肢では体幹に近いほうが近位。(⇔遠位)
【筋電図検査(electromyography:EMG)】
筋肉疾患や神経麻痺について診断する検査。
針電極を用いて、運動単位活動電位(NUAP)の放電状況を経時的に検索する。
【頚肩腕症候群(くびかたうで)】
頭部、頚部、肩甲部、背部、上肢にしびれ、痛みなどを訴えるが、原因は特定できない場合に、つけられる病名。
【クモ膜下出血】
クモ膜下腔に出血が起こり、脳脊髄液に血液が混入した状態。
【クラウン】
歯の被せ物や差し歯の事。
【クラッチフィールド牽引】
頭蓋直達牽引療法。
頚椎脱臼骨折の治療等で行なわれる。
【クラビクルバンド】
鎖骨骨折の治療に使われる装具。
【グリソン牽引】
頚部の介達牽引。
【クローヌス(Clonus)】
非献金を受動的に急激に伸展させた際に近が周期的に収縮と伸展を繰り返す現象。大腿四頭筋に見られる膝クローヌス、下腿三頭筋に起こる足クローヌスがある。
【脛骨後方落ち込み徴候】
後十字靭帯のテスト。
【頚椎症】
椎間板の変性、ルシュカ関節、椎間関節の退行性変化、靭帯の変性・骨化等から起こる脊椎間の不安定性の出現、血行障害等の症状をいう。
【頚椎捻挫】
頚部を支持する軟部組織の損傷に止まる場合は、損傷後3ヶ月以内での治癒が期待出来る。
急性期には休養・安静、亜急性期には物理療法が行なわれる。
【血腫】
出血した血液の塊。
【結髪(けっぱつ)】
上肢を後頭部に持っていく動作。肩関節機能のチェック。
【腱】
骨と筋肉の付着部の軟部組織。
【腱鞘炎(けんしょうえん)】
腱鞘は、腱を包み込む膜。通常は腱と腱を取り囲む組織との間のすべりを良くする機能を持つが、これが炎症を起し疼痛を訴える。外傷を原因とする事もある。
【検体検査】
血液、尿、脊髄液などの検査。
【腱反射】
深部腱反射。錐体路障害や末梢神経障害の診断を目安とする神経学的検査。
【腱板断裂】
腱板は肩関節の肩甲下筋腱、棘上筋腱、棘下筋腱、小円筋腱からなる筋腱。
腱板が断裂すると肩の運動痛、夜間痛が起こる。
【高位】
脊椎、脊髄等の位置関係を指す。椎間板ヘルニアの診断は、画像によるヘルニアの高位と、神経学的高位が一致することにより確定診断となる。
【後遺障害】
症状固定後、さらに治療(通院や薬の処方、精神カウンセリング)リハビリなどが必要な状態。また、傷害が治ったあとでも身体に残っている障害(機能障害などの症状)の事を指します。
交通事故による傷害を負ってから6ヶ月が経過すれば後遺障害認定の申請はいつでも出来ます。
【後遺障害等級認定】
被害者の後遺障害を損保料率機構が調査して等級を認定することをいいます。
【後遺障害等級の併合】
複数の後遺障害が引き続きあるときに行われる処理のことをいいます。
【交感神経】
「昼の神経」とも呼ばれる。昼間、活動的な時に活躍する神経。交感神経が働くと、瞳孔は拡大し、心臓の拍動は速くなり、血管は収縮して血圧を上げ、体はエネルギッシュな状態になる。
寒さや暑さ等の物理的な刺激・強い恐怖を感じた時・興奮した時・激しい怒りを感じた時・緊張した時・悩みや不安を抱えている時等も、それらに反応して働く。
【光覚弁】
暗室の中で、眼前で照明を点滅させたときに、明暗が判断できる視力。
後遺障害認定上は失明と同視される。
【高次脳機能障害】
頭部に外傷を受けたことによって脳の内部が部分的に損傷して、記憶力が低下したり、感情のコントロールができないなどの症状が出ることをいいます。
【項部】
後頚部、うなじ。
【(急性)硬膜下血腫】
硬膜とクモ膜の間の出血。死亡率が高い。
【(急性)硬膜外血腫】
頭蓋骨と硬膜の間の血管の損傷により出血がおきる。早期治療がなされれば予後は良い。
【亢進】
高ぶり。腱反射(深部反射)の評価。著しい亢進は++、亢進は+、正常は○、減弱は±、消失-であらわされる。
【後方引き出しテスト】
後十字靭帯のテスト。
【絞扼性神経障害(こうやくせいしんけいしょうがい)】
神経の走行が関節や骨に近いために圧迫を受けやすい部位で生じる神経障害。
【語想起テスト】
ある言葉で始まる単語、たとえば動物の名前などを一定の時間言わせる検査。
【骨萎縮】
局所的に骨質が減少した状態。全身性の場合は骨粗鬆症。
【骨幹部】
長管骨の中央部の管状の部分。
【骨幹端(こっかんたん)】
骨幹と骨端の境目。
【骨棘(こっきょく)】
骨がトゲのように増殖したもの。神経を圧迫する事がある。
【骨シンチグラフィー】
テクネチウム (99mTc) というラジオアイソトープを含んだ薬剤を注射して行う核医学検査。この検査は注射した薬剤が、骨の代謝や反応が盛んなところに集まる性質を利用して、骨腫瘍や骨の炎症、骨折の有無などを調べます。
【骨髄炎】
骨組織の感染により化膿性炎症を起したもの。慢性化しやすい。
【骨折】
不全骨折は骨梁の連続性は立たれているが、骨全体の連続性は保たれている状態で、亀裂骨折が一例。粉砕骨折は骨片の多いもの。単純骨折(閉鎖性骨折)は皮膚が断裂していないもの。複雑骨折(開放性骨折)は皮膚が断裂して骨折部が露出するもので、感染の危険が高い。
【骨粗鬆症(こつそしょうしょう)】
骨形成と骨吸収のバランスが崩れ、骨の量が通常よりも減った状態。骨が脆くなり、骨折しやすい。
【骨端部】
長管骨の両端。
【コブ法】
X線写真による脊柱の側弯度判定方法。
【ゴールドマン視野計検査】
特に頭蓋内疾患を伴う視野障害を有する例や、自動視野計では把握が困難な例で用いられる。自賠責における認定の基準。
【混合性難聴】
鼓膜・外耳・中耳に障害がある伝音性難聴と内耳神経等に障害がある感音性難聴が併存する。
さ行
【作業療法occupational therapy(OT)】
身体障害や精神障害のリハビリテーションとして行われる。着衣、入浴、洗濯、調理、食事、木工、手芸、ゲーム等を通して機能の回復や維持を図る。
【挫傷】
皮膚は断裂していないが、筋肉繊維や腱を損傷したもの。内臓や脳を損傷したときも挫傷という言葉が使われる。
【嗄声(させい、かせい)】
かすれ声のこと。
【挫創】
創は皮膚が断裂して皮下組織が露出したもの。
サーモグラフィー(thermography)温熱画像診断法
生体の体表温度分布を測定し、それによる診断や治療効果の判定を行う検査法。
血行障害や自律神経機能の検査に用いられる。
【ジオプトリー(D)】
眼球の調節力を表す単位。
【視覚誘発電位(VEP)】
視力の有無の判定。視覚路の障害を客観的に捉える。
【自覚的所見】
本人(患者)が自覚した症状や身体の変化。
【軸索】
ニューロンの長い部分
【趾骨(しこつ)】
足の指骨。
【四肢麻痺(シシマヒ)】
頚髄を損傷したことなどにより、身体に麻痺が残ることがありますが両上肢、両下肢ともに麻痺するのを四肢麻痺といいます。
【指数弁】
指の数を数えさせ、正答できる最長距離により視力を表す。
【歯突起】
軸椎の突起。
【耳鳴(じめい・みみなり)】
難聴に伴って、発生する事が多いが、治療法は確立されておらず長期間継続するとされる。
ピッチ・マッチ検査、ラウドネス・バランス検査、遮蔽検査等により確認出来る。
【視野】
眼前の一点を見つめていて、同時に見える外界の広さ。
【視野狭窄】
視野周辺の狭窄。同心性狭窄と不規則狭窄がある。
【視野変状】
半盲症、視野欠損、視野狭窄、暗点の事。
【ジャクソンテスト】
頸椎に対する検査。神経根圧迫による症状の誘発テスト。
神経痕への刺激、圧迫があると放散痛を生じる。
【柔道整復師】
国家資格者。医業類似行為。接骨院、整骨院、ほねつぎ。
【羞明(しゅうめい)】
眩しい事。
【手動弁】
掌を眼前で上下左右に動かし、動きの方向を弁別できる能力。
後遺障害認定上は失明と同視される。
【受傷機転】
受傷の原因となった外力の方向や、作用部位等。
【腫瘍(しゅよう)】
組織や細胞が、病的に増殖したもの。
【上位頚椎】
第1・第2頚椎の事。
【消炎鎮痛剤】
鎮痛、消炎、解熱等の作用がある。
【症状固定】
完治した状態ではなく、これ以上治療しても短期間に症状が改善されない状態、または現在行っている治療を中断(もしくは終了)しても悪化しない可能性が考えられる状態のことを言います。
つまり、治療の効果が見られず、症状の軽減がはかれない状態です。
症状固定後も治療を続ける事はできますが、加害者に請求することはできず、被害者本人の健康保険に切り替わります。
その為、後遺障害認定をして保険会社に請求し、示談金、慰謝料、後遺障害慰謝料などから支払う事になります。
【踵足(しょうそく)】
足部の変形。足関節が背屈位に変形した足。
【小脳】
運動調節機能を司る。筋・腱・関節からの深部感覚、内耳からの平衡感覚、大脳皮質からの情報を受け、力の入れ具合・バランスなどを計算し調節する。
【褥瘡(じょくそう)】
床ずれ。重症例では皮下組織が露出する。
【植物状態】
遷延性意識障害ともいう。体性神経の機能がなくなり、自律神経だけが働いて呼吸、循環機能などが残存している状態。
【ショルダーデプレッションテスト】
神経根圧迫による症状の誘発テスト。肩引き下げテスト。
【自律神経】
植物神経ともいう。交感神経と副交感神経に分けられる。
自分の意志とは関係なく働く神経。汗を出す、消化管を動かす等。
【自律神経失調症】
自律神経の働きは、状況に応じて体をうまく適応させる事だが、昼は交感神経、夜は副交感神経が働いて自律神経のバランスを維持し、健康を保つ。それが崩れると各器官のコントロールがうまく行かず、全身ありとあらゆる器官にさまざまな不定愁訴があらわれる、この症状の事をいう。
【神経根】
前根は運動神経、後根は知覚神経。脊髄から末梢神経が枝分かれして出て行く根元の部分。
【神経節】
神経細胞と神経繊維が集まって太くなった部分。
【神経叢(しんけいそう)】
叢はむらがるという意味。腕神経叢麻痺などの診断名がつけられる事がある。腕神経叢は頚椎と胸椎の五つの神経根から分岐し、それぞれの神経線維が集散を繰り返して上肢に向かう。
【神経伝導速度検査(nerve conduction velocity study NCVS)】
末梢神経の損傷診断に有用。
痛みなどの刺激がどのくらいの速度で神経を伝わって行くかを測る検査。末梢神経の病変の判定、ギランバレー症候群、CDP、手根管症候群、肘部管症候群などの診断に使う。
【神経ブロック療法】
神経に局所麻酔剤を注射し、鎮痛、除痛や血行改善により痛みの悪循環を断つ治療法。
【靭帯】
骨と骨をつなぎ、関節を形作る軟部組織。
【診断書】
診断書の作成は医師と歯科医師のみにしか認められない。
患者の病状、怪我や障害の状況、治療に要した入院・手術等の手段を証明するため又は、当該業務(自動車の運転など)の能力を持っている(又は、持っていない)と保証する為及び、福祉関係の申請の為に必要な場合に発行する。
医師・歯科医師は患者から依頼がある場合には正当な事由がない限り、診断書作成を拒否出来ない。
患者本人が子供、又は認知症等で判断能力に欠けている場合や、患者自身が危篤状態又は、既に死亡している場合を除き、患者の家族や知人・友人からの依頼では診断書は作成されない。
【深部腱反射】
腱をハンマーで叩くと瞬間的に筋肉が伸張される現象。脊髄レベルの障害は亢進。馬尾や末梢神経レベルでは消失もしくは減弱する。
【診療所】
入院設備が無い、あるいは入院ベッドが19床以下で、外来医療を中心とする。
【診療報酬明細書(レセプト)】
保険金を請求する時に必ず必要な書類。治療した病院毎に、診療年月日、病名、処置内容、処方薬、治療費等が詳細に書いてある診療報酬の明細書。
【診療録(カルテ)】
医師が診療をした時に、診療に関する事項を記載するもの。
【髄液(脳脊髄液)】
脳脊髄は髄液に半ば浮いた状態で包み込まれ、外部の衝撃から保護されている。
【髄内釘】
骨折治療に使われる金属。
【水平面】
MRIの撮像方向。横の断面(輪切り)。
【線維輪せんいりん】
椎間板中心部の髄核の周囲を輪になって囲む線維の束。
椎間板の線維輪が断裂して髄核が脱出するとヘルニアになる
【髄膜炎】
脳や脊髄の表面をおおっている髄膜に、ウイルス・細菌・真菌等が感染し、急性の炎症が起こる事。無菌性髄膜炎と細菌性髄膜炎とに分けられ、ウイルス感染では無菌性髄膜炎と呼ぶ。細菌感染では化膿性髄膜炎が起こる。結核菌による結核性髄膜炎や、マイコプラズマ・真菌による髄膜炎もある。
【巣症状】
局所的損傷による傷害が当該部位の担当する脳機能の傷害として現れる事。
【ズデック萎縮(ズデックジストロフィー)】
1900年にズデック(ドイツ)が提唱した。
捻挫などの外傷後に創傷が治癒した後にもかかわらず局所の疼痛を伴う骨萎縮が残る病態。
【スパーリングテスト】
頸椎に対する検査。神経根圧迫による症状の誘発テスト。
神経痕に圧迫性障害が存在するときは患側上肢に放散痛が生じる。
【辷り症(すべりしょう)】
椎体にずれが生じ、脊髄を圧迫して神経症状が出る。
【星状神経節】
頚部で一番大きい交感神経節。
【星状神経節ブロック】
星状神経節近傍に局所麻酔薬を注入することにより星状神経節、及び頸部交感神経幹、交換神経の節前・節後線維を遮断するコンパートメントブロック。
顔面、頭頸部、上肢、上胸部の疼痛緩和や末梢循環の改善をもたらす。
【整骨院】
国家資格者である柔道整復師の施術所。接骨院。
【整体】
国家資格ではない医業類似行為。
【生体検査】
筋電図、関節鏡、生検による病理検査など、患者の生体機能を直接、検査の対象とする。
【セカンドオピニオン】
対診(たいしん)。現在受診している医師とは別の医師の診断を受け意見を求める事。
【脊柱】
頚椎(cervical spine)、胸椎(thoracic spine)、腰椎(lumbar spine)、仙椎(sacrum)、尾骨(coccyx)からなっている。
【脊柱管】
椎骨の中心は中空になっています。これが上下に積み重ったところに脊髄神経が通っており、この神経の通り道のことを脊柱管といいます。
【脊柱管狭窄症】
脊柱管が骨棘や靭帯の肥厚、骨化等を原因に狭まる事により、脊髄症や神経根症の症状を呈する。
【線維筋痛症】
交通事故外傷後に症状が現れる場合がある。体中に多数の圧痛点を認める。
【穿刺(せんし)】
注射の針を刺すこと。
【尖足】
足部の変形。足関節が底屈位に変形。
【前方固定術】
頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症などで行なわれる手術療法。気管や食道をよけて、椎体を削り、脱出した椎間板や骨棘を切除し、それにより脊髄や神経根の圧迫を取り除く。その後、骨移植等を行い、上下の椎体を結合固定する。骨盤骨からの骨移植のほか、人工骨を使用したり金属性の固定具を使用したりする事もある。
【前方引き出しテスト】
前十字靭帯のテスト。
【前弯減少】
頚椎は正常像では前弯しているが、この弯曲が減少しているもの。前弯減少、前弯消失などと診断される。頚椎捻挫を原因として発生する場合もあるが、体質的なものも多い。
【ソーシャルワーカー】
患者の抱える問題のうち医療費、介護や福祉行政などに精通している。病院に在籍している場合がある。
た行
【体性感覚誘発電位】
感覚障害の有無を客観的に捉える事が出来る検査方法。末梢神経に電気刺激や機械的刺激を与え、脳波の反応を見る。上肢の正中神経や下肢の総腓骨神経あるいは後脛骨神経を刺激し、末梢から脊髄、大脳皮質までの障害レベルを推定する。知覚障害や運動麻痺が残る場合に行なわれる。
【対症療法】
表面的な症状の緩和を目的とした治療法。苦痛を軽減させ、自然治癒力に期待する。
【第三骨片】
骨折の際にできた骨のかけら。
【大腿骨頭壊死】
大腿骨頭の骨折により支帯動脈が断裂して発生する。
【大脳】
人間の脳で最も発達した部分。前頭葉、測頭葉、頭頂葉、後頭葉、から成る。
情報を識別してそれに応じた運動を命じる。(一時機能)
記憶・情動・認知等の高度な精神作用を司る。
【他覚的所見】
本人でない医師や医療従事者が診た所見(診察や検査をしてわかったものも含む)。
画像所見の他、筋電図検査、神経根圧迫刺激テスト、腱反射等
自賠責後遺障害等級認定では画像所見が偏重される。
【脱臼】
関節が外れた状態。亜脱臼は関節面が一部接触している状態。
【打撲】
傷口を伴わない、軟部組織の損傷。
【知覚異常】
知覚異常は、刺激の種類、感覚閾値の高低、刺激の種類(性質)と生じる感覚の種類(性質)、刺激の強さと生じる感覚の強さの関係などによりアロディニアと痛覚過敏に分けられる。
【知覚検査】
以下の2つに大別される。
特別な機器を用いず、外的刺激に対する反応をみる。
検査機を用いて知覚神経機能を調べる。
【注視野】
頭部を固定して、眼球を運動させて直視することのできる範囲。
【中心性脊髄損傷】
脊髄の中心付近が損傷を受けたもの。上肢に行く神経線維は中心より、下肢に行くものは外側よりにあるので、中心部の損傷が激しい場合は上肢の症状が重くなる。
【中枢神経】
脳と脊髄神経で構成される神経。
肘部管症候群
肘部分で尺骨神経が周辺の組織に刺激されて起こる絞扼(こうやく)性神経障害。
【超音波検査】
超音波を発信し、戻ってくる反射波(エコー)を分析し画像化する検査。
【聴覚誘発電位・聴性脳幹反応(ABR)】
聴力の有無の判定に使う。
【直達牽引】
骨に直接ピンや鋼線等を通し、牽引して骨の整復・固定を図る。
【椎間板】
脊柱の支柱の支持性、可動性を担っており緩衝作用も有している、椎骨間に存在する円板状の軟骨組織のことをいいます。
【槌指(つちゆび・ついし)】
突き指のこと。
【痛覚過敏】
アロディニアと併存することが多く、アロディニアと同様な疾患で起きる。
正常で痛みを起こす刺激に対して、強い反応(強い痛)が起こること。
【低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)】
交通事故やスポーツ外傷等で、鞭打ちになった人の中で髄液が漏れて髄液圧が低くなった人に発生する。目まい、頭痛、吐き気、激しい倦怠感、脱力、集中力・思考力・記憶力の低下、視力障害、首が絞めつけられる感じ、後頭部から首にかけての鈍痛、常に肩が凝る、背中の痛み、あごの違和感、のどの痛み等の症状がみられる。
【ディスコグラフィー】
椎間板造影法 髄核の変性、線維輪の亀裂や損傷、椎間板ヘルニアの有無を確認する。
【ティネル徴候】
障害末梢神経を軽叩打した時に末梢の知覚支配域に放散痛が起こる徴候のことをいいます。知覚神経線維を再生する時に、軸索の成長より髄鞘の成熟が遅れるため再生軸索の先端に無髄部が生じ、その部分が叩打等の機械的刺激に対して鋭敏になるために起こります。
ティンパノメトリー
圧力をかけて鼓膜の動きを観察する検査。
【デブリドマン】
創面清掃
【デュークシンプソン装具】
半月板損傷の治療などに使われる装具。
【てんかん】
大脳ニューロンの過剰な突発的発射に由来する反復性の発作を主張とする慢性の脳疾患。
硬膜損傷を伴う脳損傷では2~30%にてんかん発作が見られるといわれる。
【転帰(てんき)】
診療報酬明細書に記載欄がある、傷病の経過や結果のこと。中止、継続、治癒、転医、死亡等がある。
【電動間欠牽引】
椎間板ヘルニアの治療に使われる。
【トークンテスト(token test)】
形・色・大きさの異なるトークン(札)を使い聴理解を見る検査。
短期記憶の検査としても使われる。
【動揺関節】
異常な関節運動が見られる関節。
【兎眼(とがん)】
まぶたが完全に閉じない状態。
【特別養護老人ホーム】
老人福祉法上の福祉施設の一つ。身体又は、精神上著しい障害があり、介護が必要な人が入所出来る。
【徒手筋力テスト】
素手(=徒手)の筋力の低下を評価する検査法。
【徒手整復】
骨折や脱臼を手の力で整復する手技。
【トレムナー反射(Tromner reflex)】
被験者の第3指の指先を検者の第3指ではじくと、被験者の母指が屈曲する反射。
な行
【内転足】
足部の変形。前足部が水平面で内側へ向いた状態。
【内反ストレステスト】
側副靭帯のテスト。
【内反足】
足部の変形。踵部が内方に回転した状態。
【内反尖足】
足部の変形。踵部が内反し、足関節が底屈した状態。
【ニューロン】
神経細胞とそこから出る突起の事。
【捻挫】
関節の軟部組織の損傷。
【脳幹】
間脳・中脳・橋・延髄から構成されていて、呼吸・循環など生命活動の基本的な営みを支配し、知覚情報を大脳皮質に中継したり、抹消に向かう運動指令を中継したりする役割を持つ。
【脳死】
深昏睡、自発呼吸の喪失、瞳孔固定、脳幹反射の喪失、平坦脳波、これらが6時間以上変化のない等の条件により判断される。植物状態とは異なる。
【脳脊髄神経】
脳神経と脊髄神経に分けられる。
【脳波検査EEG】
脳の異常による意識障害の診断とてんかんの診断のために、頭部に電極を付けて脳の電気信号を脳波として記録する検査。
は行
【馬尾(ばび)cauda equina】
脊髄後位の脊髄神経と終糸が共に並ぶ部位。脊髄後位の仙骨神経や尾骨神経は椎間孔を出るまで殆ど終糸に併行して走り、その形が馬の尾に似た形態を示す為このように呼ばれる。
【白質】
神経細胞の集まり
【跛行(はこう)】
歩行障害の事。
【長谷川式知能評価スケール(改訂版)】
日本で汎用されている簡易認知症スケール。
9の設問項目から構成され、30点満点で、20点以下は認知症の疑いありとされる。
【抜釘(ばってい)】
手術で体内に入れたスクリューや鋼線などを取り外す事。
【バビンスキー徴候(Kaminski)】
皮膚表面の刺激で引き起こされる異常な足跡の動きを見る、下肢に見られる病的反射。
健常な人には出現しない。
【バラード=ウィリアムズ現象】
有意味な記憶材料で数日間にわたってみられるレミニセンス。
【バレー徴候】
上下肢の軽い不全麻痺。
【バレー・リュー症候群(後頸部交感神経症候群)】
自律神経機能に異常をきたす。ブロック注射による治療が有効とされる。
バレー・リュー症候群の特徴
後頭部痛、暗点、眼痛と耳痛を伴う角膜潰瘍。
頭部回旋時に生じる発作性の目まい。
耳鳴、嗄声、一過性の失声。
血管運動神経障害、顔面痙攣特徴とする疾患記憶障害、思考障害、不安感。
うつ症状を伴う自律神経症状を認める事もある。
※外傷の既往を持つものが多い為、外傷性頸部症候群の中に含まれる事もある。
【万国式試視力表】
ランドルトの環(С)の切れ目を見分ける検査法。
【半盲症】
視神経繊維がおかされ、両眼の視野の右半分または左半分が欠損するもの。
【悲嘆反応(grief reaction)】
家族や親しい友人など愛する人を亡くした時に現れる、長い悲しみや思慕等死に対する心の反応。通常時間と共に変化していく。
【ピッチ・マッチ検査】
自分の耳鳴りがどのくらいの音の高さなのかを検査機械の音と比べて調べる耳鳴り検査。さらに耳鳴りの音色を調べる場合もあります。
【ピボットシフトテスト】
前十字靭帯のテスト。
【瀰漫性軸策損傷(びまんせいじくさくそんしょう)】
「瀰漫(びまん)」とは、一面に広がり蔓延り、満ちるという意味。「軸索(じくさく)」とは、神経細胞から伸びる1本の長い突起(神経繊維)の事。神経軸索が断線している為に機能障害が生じる。
CTなどの画像上では大脳に明確な形態的異常は見られず、部位の特定が出来ない事から事故との因果関係を認められにくい。
【病院】
入院ベッドが20床以上あり、救急医療や高度医療を担う場所。
【表在反射】
皮膚や粘膜に刺激を与え、筋肉の反射的収縮を起こさせる。反射の喪失は錐体路障害を意味する。
【標準高次動作性検査】
失行症状の検出のための検査。13の項目、45の小項目からなる。
【病的反射】
皮膚表面の刺激で健常な人には見られない、異常な動きが見られる。
顔面・・・マイヤーソン徴候・口尖らし反射
上肢・・・ホフマン反射・トレムナー反射
下肢・・・バビンスキー反射・チャドック反射・シェーファー反射・クローヌス反射(足クローヌス・膝クローヌス)等。
【副交感神経】
夜の神経とも呼ばれ、体を緊張から解きほぐし、休息させるように働く神経。
副交感神経が優位になると、瞳孔は収縮し、脈拍はゆっくりとなり、血圧は下降して、体も心も夜の眠りにふさわしい状態になる。
【複視】
右眼と左眼の網膜の対応点に像が結像せずに、ずれている為に物が二重に見える状態。
【浮腫】
むくみ。物理療法
温熱、水、赤外線、電気等により鎮痛、局所血行改善の効果がある。
【ブラガードテスト(Bragard’s test)】
腰神経に対するテスト。
【プラシーボ効果】
薬ではないもの(偽薬)を投与しても、患者が薬であると信じ込むことによって一定の効果が見られる事。
【フラッシュバック(flashback)】
過去の出来事をあたかも今体験しているかのように想起する事を指す。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の1つ。
【ブラッドパッチ】
脳脊髄液減少症の治療法。硬膜外腔自家血注入法。硬膜外腔は硬膜の外側であり、髄液は硬膜の内側(クモ膜下腔)を流れている。
【フリッカー検査】
視神経疾患や、視路疾患などを対象とする。光がON、OFFする不連続光を見るとちら付きを感ずるが、頻度が大きくなると融合してちらつきが感じられなくなる。
このときの周波数をフリッカー融合頻度(フリッカー値)という。
【フロマン徴候(Froment sign)】
尺骨神経麻痺で認められる兆候。
【ペインクリニック】
痛みの治療を行なう。麻酔科。神経ブロック注射による治療。
【ヘススクリーンテスト】
複視の検査方法。
指標を赤緑ガラスで見たときの片眼の赤緑、他眼の緑像から両眼の位置ずれを評価する。
【ヘリカルCT】
らせん状にスキャンすることにより、撮像を立体表示できるCT。
【ヘルニア】
臓器や組織が脱出する状態。脳ヘルニア、鼠径ヘルニア、横隔膜ヘルニア等があるが、交通事故では通常、椎間板ヘルニアを指す。椎間板ヘルニアは椎間板の線維輪から中の髄核が飛び出た状態。これが神経根や脊髄を圧迫して様々な症状を呈する。程度により、膨隆、突出、脱出、遊離等と表現される。
【扁平足】
足部の変形。縦のアーチが減少した状態。
【蜂窩織炎(ほうかしきえん):蜂巣炎(ほうそうえん)】
骨折の後等にみられる感染症。皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけての細菌による化膿性炎症。広い範囲が赤く硬くなって腫れ、熱感と様々な痛みがある。黄色ブドウ球菌や、化膿連鎖球菌等の細菌が主な原因で、発熱・寒気・頭痛・関節痛を伴ったり、深い潰瘍が出たりする事もある。事故後、退院しても再度入院手術となる事がある。
【保存的治療(保存療法)】
手術で取り除くのではなく、病気になっている臓器の機能を残しながら行う治療。
【ボンネットテスト】Bonnet
ラセーグテストで陽性の場合、それよりわずかに下肢を下げて、痛みが消失したところで、股関節を内転・内旋する検査方法
ま行
【マイクロサージャリ-】
顕微鏡を覗きながら特殊な器具を用いて行われる手術。
【マクマレーテスト】
半月板損傷のテスト
【末梢神経】
中枢神経である脳や脊髄から出ている神経。脳脊髄神経と自律神経に分けられる。
【麻痺】
運動機能等が鈍くなったり、消失したりする事。
中枢性運動麻痺と末梢性運動麻痺がある。
【慢性期】
頚椎捻挫では受傷後4ヶ月以降。
【ミエログラフィ】
脊髄造影法 脊髄腔に造影剤を注入し撮影する。脊髄の圧迫レベルや狭窄状態の確認の為に行なう。
【むちうち損傷(外傷性頸部症候群)】
交通事故で後ろから追突されたときに起こるケースが殆ど。
突然首が衝撃を受けて鞭のようにしなる動きになるので、このように呼ばれている。
【メニエール病】
回転性眩暈、耳鳴、難聴、自律神経症状などの症状がある。内耳の病気。
【メランコリー親和型】
うつ病になりやすいといわれている性格傾向。まじめ、几帳面、強い責任感を持つ。
【モーレイテスト】
鎖骨の上のくぼみを指で圧迫して痛みやしびれを誘発するテスト。
や行
【矢状面】
MRIの撮像方向。縦の断面。
【腰部交感神経節ブロック】
血流改善効果を期待して行う。腰椎前面にある腰部交感神経節をブロックする事により、血管拡張、発汗の呈しおよび痛みの軽減をもたらす。高周波熱凝固法を用い、アルコールを注入することで、長時間の効果が期待できる。腰痛にも効果がある。
ら行
【ライトテスト(Wright test)】
肩をあげて後ろへ反らせると、手首で動脈の脈拍が触れなくなる等の症状を誘発させるテスト。
【ラウドネス・バランス検査】
ピッチマッチ検査と組み合わせ、耳鳴りの音の高さでどのくらいの大きさなのかを測る耳鳴り検査。自分の感じている音と装置から出る音を聞き比べて耳鳴りの音の大きさを判断します。
【ラセーグ徴候(La sègue sign)ラセーグテスト】
坐骨神経等の異常を確認する神経の伸展刺激テスト。下肢伸展拳上テストで下位腰椎の椎間板ヘルニアに対するもっとも重要な疼痛誘発テスト。(患者を背臥位で股関節、膝関節を90度屈曲位にして膝関節を伸展する。椎間板に病変があって神経根が影響を受けているかを調べる。)
【ラックマンテスト】
前十字靭帯のテスト。
【理学療法】
物理療法、牽引療法、運動療法など。
【ルーステスト(Roos test):3分間挙上負荷テスト】
胸郭出口症候群の診断に用いられる症状誘発テスト。
肩をあげて後ろへ反らせた位置で指の屈伸運動を3分間行うと上肢の疲労感や疼痛等が誘発されて、この運動を継続する事が不可能になる。
【レミニセンス】
通常、記憶の保持は時間が経てば経つほど減少していくが、記憶直後よりもある程度時間が経った後の方が、よい場合がある。これをレミニセンスという。
バラード=ウィリアムズ現象とワード=ボヴランド現象の2種類有る。
【ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)】
炎症を鎮めて腫れ・発赤・痛み等の症状をおさえ、熱を下げる作用を持つ『非ステロイド抗炎症薬(NSAID)』。
【濾紙ディスク法】
味覚の検査。
わ行
【ワード=ボヴランド現象】
無意味綴りなどの記憶材料で、数分の短い時間内にみられるレミニエンス。
【ワンテンベルク徴候】
上位運動ニューロン障害がある場合に出現する上肢の病的反射。
アルファベット
A
【ABC症候群】
Cポリモーダル侵害受容器の過敏化による異常興奮が、逆行性伝導を起こして起こる症候群。
【ABR (auditory brain-stem response ):聴性脳幹反応検査】
聴覚神経を刺激し、脳幹部の電位を計測する。オージオメータによる通常の検査が難しい乳幼児に対する聴覚機能の検査に有用。
【ACL損傷】
前十字靭帯損傷
【ADL(ability of daily living)】
日常生活動作
【ASD(acute stress disorder ):急性ストレス障害】
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に似た症状で、急激にストレスに襲われることで起きる。PTSDと同じようにトラウマ体験が伴う。
【ASL】
社会生活行為
【axial】
軸の、軸性の、身体中心部の、四肢ではなく頭部、体幹、軸骨格
B
【Benton視覚記銘検査】
視覚性の記銘検査。10枚1組の図版を記憶させ、みたとおりに描かせることにより、即時再生・保持の能力を検査する。
【bulging】
髄核膨隆
C
【CM関節症】
CM関節とは、親指の付け根(先から三番目)の関節。第一中手骨と大菱形骨の連結部分。CM関節の変形性関節症(OA)。
【CR】
X線写真をコンピュータ処理して画像化したもの。
【CRPS(complex regional pain syndrome)複合性局所疼痛症候群】
神経損傷の有無によってtype1(従来のRSD)とtype2(従来のカウザルギー)に分類される。
病因には末梢神経系レベルでの神経可塑的変化や神経ペプチドの過剰分泌による神経原性炎症から、中枢神経系(脊髄・脊髄上位中枢)レベルでの可塑的変化まで多岐に渡る。
【CT(computed tomography )】
X線によるコンピュータ断層撮影法。単純X線検査と比較すると、三次元画像を作成出来る等、骨以外の組織の描写にもすぐれ、密度分解能(異なる組織を識別する能力)が高い。
D
【DAI(diffuse axonal Injury)】
瀰漫性軸策損傷の事。
【DIP関節】
遠位指節間関節
【disc hernia】
椎間板ヘルニア
【DSM-Ⅳ】
米国精神医学会(APA)の精神疾患の診断基準。PTSD診断に使われる。
E
【EHL】
左長母趾筋
【EBP】
ブラッドパッチ。
【EMDR治療法】
催眠療法の一種。PTSDの治療に使われる。
【ERG検査(Electororetenoguram網膜活動電位検査)】
閃光に対する網膜の反応を計測し、それによって:網膜の視細胞の機能を調べる検査。
【FHL】
長母趾屈筋
G
【GCS(Glasgow Come Scale)グラスゴー・コーマ・スケール】
意識障害の分類。世界各国で広く利用される。
H
【Hard disc】
椎間板ヘルニアが後方骨棘を合併して神経を圧迫している状態。
【headache】
割れるような頭痛がする
【HDS-R】
長谷川式簡易痴呆スケール改訂版。
【hypaesthesia】
感覚(知覚)減退
I
【ICD-10 (International Statistical Classification of Disease and Related Health problem 10th Revision)】
1992年に世界保健機構WHO(World Health Organization)が発行した「疾病及び関連する健康の諸問題についての国際統計分類表10改訂版」。WHOの精神疾患の診断基準。PTSD診断に使われる。
【IP関節】
指節間関節。
【instability】
不安定性(安定性のない状態)
【intensity】
強度、強さ C6/7レベルでhigh intensityを呈する
J
【JCS(Japan Coma Scale)ジャパン・コーマ・スケール】
覚醒の段階を9段階(意識清明の場合は0で表現されるので、その場合は10段階)表現するもの。数値が大きいほど障害が重い。
3-3-9度方式による意識障害の分類表。
L
【LCL損傷】
外側側副靭帯損傷。
【LM】
膝の外側半月板。
M
【MCL損傷】
内側側副靭帯損傷。
【MM】
膝の内側半月板。
【MMS(mini-mental state examination)】
全世界で汎用されている簡易認知症スケール。
11の設問項目からなり、30点満点。24点以上で健常とされる。
【MMT】
徒手筋力テスト。
【MP関節】
中手指節間関節。
【MR】
ミエログラフィ。
【MRA】
MRIによる血管撮影法。
【MRI(magnetic resonance imaging )】
磁気共鳴画像診断の事。磁場の中においた被験者にラジオ波を加え、人体組織を構成する原子核から来る反響信号の強さを画像化したもの。体内に磁場をかけて水素イオンに振動を与え、そこから発する共鳴エネルギーをコンピュータ処理して画像化する事から、水分の多い軟部組織の抽出に優れている。
【MRSA感染】
黄色ブドウ球菌による院内感染症。
【MSW】
ケースワーカー。医療ソーシャルワーカー。
【MTP関節】
中足趾節関節。
【Myelopathy】
脊髄症状。
N
【NSAIDs】
非ステロイド性抗炎症鎮痛薬。
O
【OA】
変形性関節症。
【OALL】
前縦靭帯骨化症。
【OPLL】
後縦靭帯骨化症。
【OT】
作業療法士。
P
【PCL損傷】
後十字靭帯損傷。
【PET】
脳組織内の血流量や代謝を測定する核医学検査の一つ。ポジトロン(陽電子)を用いる。
SPECTは撮像原理が異なるが、同様目的で使用される。
【PIP関節】
近位指節間関節。
【PO】
義肢装具士。
【PSW】
精神科ソーシャルワーカー。
【PT】
理学療法士。
【PTSD (Post Traumatic Stress Disorder) : 外傷後ストレス障害】
心の傷となる激しいストレスを受けた後に何気ない光景や物音に反応して、当時の状況が思い出され、それがきっかけで生じ、日常生活に支障をきたす、誰でも極度のストレスを受ければなりうる障害。フラッシュバック(再体験)、孤立感、睡眠障害、回避行動などの症状がある。
ICD-10やDSM-Ⅳなどの診断基準がある。
Q
【QOL】
上質な社会生活
R
【RA】
関節リウマチ
【sensory】
知覚
【Radiculopathy】
神経根症状。
【RCPM(Raven’s coloured progressive matrics)】
一部が欠如している幾何学的図案の欠如部分に、6個の小図案から適当なものを選ぶという
非言語性の認知症検査。失語症患者の知能評価に適する。
【reflex】
反射
【RICE】
Rest=安静、Ice=冷却、Compression=圧迫、Elevation=挙上のことで、外傷の初期治療の原則。
【RIシンチグラフィー】
骨髄炎、骨腫瘍等の検査に使用される。(核医学)
【ROM】
関節可動域
S
【SEP】
脊髄誘発電位。
【SLR(straight leg rasing test)】
下肢伸展挙上テスト。
【SLTA】
標準失語症検査の事。
流暢性・理解・復唱・呼称・読み・書き・失行の得点パターンにより失語症の分類が可能。
【SOFT DISC】
椎間板ヘルニアが単独で神経を圧迫している状態。
【SPECT】
脳組織内の血流量や代謝を測定する核医学検査のひとつ。ガンマ線を用いる。
PETは撮像原理が異なるが、同様目的で使用される。
【swelly、swelling】
腫脹、膨大、隆起、膨傷
T
【T1強調像】
MRIのT1強調像は脳脊髄液は低信号で黒く描写される。
【T2強調像】
MRIのT2強調像は脳脊髄液は高信号で白く描写され、椎間板の変性の程度の評価が可能。
【TA】左前脛骨筋
【tention sign】
緊張徴候
【TFCC損傷】
三角線維軟骨複合体損傷。関節造影などで診断できる。
【T&Tオルファクトメータ】
嗅覚の脱失および減退の検査機器。平均嗅力喪失値5.6以上は脱失、2.6以上5.5以下は減退とされる。
V
【VEP】
視覚誘発電位。
【VPTA(visual perception test for agnosia)標準高次視知覚検査】
視覚・視空間失認を検出する検査。
W
【WAB失語症検査】
流暢性・理解・復唱・呼称・読み・書き・失行の得点パターンにより失語症の分類が可能。
【WAIS-R】
最もよく使用されている全般性能機能を評価するための検査。
IQが算定出来るし、右半球と左半球の機能を図る事も出来る。
【Wartenberg reflexヴァルテンベルグ反射】
手指屈曲反射が著名に亢進し、母指の内転屈曲がみられる兆候。
【WCST(Wisconsin card sorting test)】
世界的に最も汎用されている前頭葉機能検査。
一組の反応カードを色・形・数の3つの分類基準に基づいて並べ替えさせていく中で、前触れなく基準を変えたときそれを認識できるか何回誤るかをみる検査。
【WISC-R】
WAIS-Rの小児用。
【WMS-R(Wechsler memory scale-revised)】
世界的に最も汎用されている記憶検査。
X
【XP(X-ray photograph )】
レントゲン写真。単純X線検査では、骨の状態(骨折、脱臼、骨棘、その他経年性変化等)を見ることが出来る。
法律に関する用語集
あ行
【合図なし】
車両の運転者は、左折、右折、展開、徐行、停止、交替または同一方向に進行しながら進路を変えるときは、手、方向指示器または灯火で合図をし且つこれらの行為が終わるまでこの合図を継続しなければなりませんが、これをしない場合のことをいいます。
【青信号】
「青色の灯火」又は「人の形の記号を有する青色の灯火」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【青矢印】
「青色の灯火の矢印」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【赤信号】
「赤色の灯火」又は「人の形の記号を有する赤色の灯火」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【赤点滅】
「赤色の灯火の点滅」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【安全地帯】
道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の部分又は路面電車に乗降する者あるいは横断している歩行者の安全を図るため道路に設けられた島状の施設のことをいいます。
【異議申立】
自賠責保険金等の支払金額(後遺障害等級)など、損害保険会社等の決定に対して異議がある場合、損害保険会社等に対して損害賠償額を再度請求すること。
【逸失利益】
事故に遭わなければ、その後に当然に得る事が出来たであろうと、される利益のことをいいます。
被害者が死亡した場合は、その人が将来稼ぐであっただろうと考えられる金額です。
【一時停止】
法令の規定、警察官の命令、又は危険防止等のために停止することであり、時間の長短に関わらず車両の車輪の回転が完全に止まることをいいます。
【一時停止後進入】
一時停止規制側の車両が一旦停止位置において停止したとしても、直ちに適用されるわけではなく、一時停止規制側の車両が左右を見て交差道路を進行する車両の接近を認めたが、その速度と距離の判断を誤って低速度で交差点に進入し、減速しなかった相手方車両と衝突したという事故態様を想定しています。
【慰謝料】
精神的・肉体的苦痛による損害の賠償のことを言います。
【異時共同不法行為】
1回目の交通事故受傷後の治療中に、更に2回目の交通事故で同一部位を受傷した場合。共同不法行為とは違い、交通事故日時が異なります。
【運行供用者】
自動車の運行支配をしている者。
【運転】
道路において車両をその本来の用い方に従って用いることをいいます。
【追越し】
車両が他の車両等に追いついたときに、その進路を変えてその追いついた車両等の側方を通過し前方に出ることをいいます。
【追越禁止場所】
道路標識等により追越禁止に指定された場所、道路の曲がり角付近、登り坂頂上付近、勾配の急な下り坂、トンネル、交差点(優先道路を除く)、踏み切り、横断歩道等並びに交差点、踏み切り及び横断歩道等の手前側端から前に30M以内の部分をいいます。
【追越車線】
2以上の車両通行帯の設けられた道路において、その最も右側の車両通行帯のことをいいます。
【横断禁止場所】
道路標識等により歩行者の横断が禁止されている道路の部分のことをいいます。
【横断歩道】
道路標識又は道路標示によって歩行者の横断のための場所であることが示されている道路の部分をいいます。
【横断歩道上、横断歩道の直近、横断歩道の付近】
「横断歩道上」とは、道路標識等により歩行者の横断のための場所であることが示されている道路の部分だけでなく、その部分から1~2m以内の場所を含んでいます。
【大型車】
車両総重量が8000kg以上のもの、最大積載量が5000kg以上のもの又は乗車定員が11人以上のもののことをいいます。
【大回り右折】
あらかじめ道路の中央に寄らない右折のことをいいます。
か行
【過失相殺】
加害者と被害者の両方の過失の程度によって損害の負担を公平に扱う事を言います。
事故についての損害を、加害者と被害者が公平に分担するために、被害者にも過失がある場合、加害者の損害賠償額を被害者の過失に応じて減額する事になっています。
【加速車線・減速車線】
道路構造令第2条8号に規定する「変速車線」のことをいいます。
【黄色信号】
「黄色の灯火」又は「人の記号を有する青色の灯火の点滅」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【既右折】
直進車が交差点に進入する時点において右折車が右折を完了しているかそれに近い状態をいいます。
【黄点滅】
「黄色の灯火の点滅」を対面する信号機の信号が示していることをいいます。
【休業損害】
ケガの完治(または、症状の固定)までの間、休業の為に収入を失った事で発生する損害の事です。
【休業損害証明書】
事故により会社を休んだり、遅刻したりして減収が生じた場合、休業損害を請求するのに必要な勤務先に証明してもらう書類。
【休業補償】
休業補償とは、通勤中又は仕事中に負傷した場合で仕事が出来ない状態が続くために補償されるものです。交通事故で負傷して、その間に仕事ができなければ休業補償を請求することができます。
ただし、就業先から賃金等が支給されていれば休業補償は請求する事は出来ません。
【共同不法行為】
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加える行為。
例えば、衝突事故等で双方過失がある場合に同乗者は2台の車から不法行為を受けたことになります。
【軽車両】
身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外で自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両にけん引されたものをいいます。
【減速】
時速40km制限の場所では、概ね時速20kmまで減速した場合のことをいいます。
【原動機付自転車】
総排気量0.050L、定格出力0.60kw以下の総排気量又は定格出力を有する原動機を用い、且つ、レール又は架線によらないで運転する車であって、自転車、身体障害者用の車いす及び歩行補助車等以外のもののことをいいます。
【好意同乗】
お金を支払わないで他人の車に同乗すること。友達の運転する車に同乗することなど。
【交差点】
十字路、丁字路その他2以上の道路が交わる場合における当該2以上の道路(歩道と車道の区別のある道路においては、車道)の交わる部分のことをいいます。
【高速道路】
高速自動車国道法第4条1項に定める高速自動車国道及び道路法第48条の2第1項に定める自動車専用道路のことをいいます。
【交通整理の行なわれている・いない交差点】
「交通整理」とは、信号機の表示する信号又は警察官の手信号等によって一定の時間は一方の道路を自由に通行させてその間は他の交通を停止することを交互に反復する措置のこと。信号機が設置されてる場合でも、黄色や赤色の灯火の点滅信号が表示されるのみの交差点は「交通整理の行なわれていない交差点」といいます。
【合流車】
高速道路において本線車道以外の道路から本線車道に入ろうとする自動車のことをいいます。
さ行
【財団法人交通事故紛争処理センター】
弁護士などの審査会が事故当事者双方の相談をとおして、交通事故の相談・和解のあっせんや審査を行う公益法人。
【裁判上の和解】
裁判所が仲介して、訴訟の段階で紛争を解決するために当事者が双方ともに譲歩する手続きのことです。
【左右の見とおしがきかない交差点】
交差点進入直前において沿道の建物、駐車車両、広告塔、看板その他道路の状況等のため、車両が進行している道路と左右に交差する道路の見とおしがきかない交差点のことをいいます。
【事故届け】
交通事故が発生した際に、警察にする届出のことをいいます。
【事前認定】
任意保険会社側からの後遺障害等級認定請求のことをいいます。
【示談】
交通事故の加害者と被害者とがお互いに話し合って納得し合う手続きを言います。
【実況検分調書】
警察官が事故直後に実況見分(現場検証)を行い、その結果を書面にした書類のこと。
【自転車】
ペダル又はハンド・クランクを用い、人の力により運転する2輪以上の車(レールにより運転する車を除く。)をいいます。
【自転車横断帯】
道路標識等によって自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分をいいます。
【自転車道】
自転車の通行の用に供するため縁石線又は柵その他これに類する工作物によつて区画された車道の部分をいいます。
【自動車】
原動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車その他の小型の車で政令で定めるもの(以下「歩行補助車等」という。)以外のもので原動機を用いて、且つレール又は架線によらないで運転する車をいいます。
【自賠責保険】
自動車損害賠償責任保険の略
【自賠責加害者請求】
加害者側が損害賠償金の支払いをしたとき、その支払った範囲内で保険金の請求ができます。
【自賠責被害者請求】
加害者側から賠償が望めなかった場合には、直接加害者の加入している自賠責保険に対して、保険金の支払い請求・後遺障害の認定申請・後遺障害の等級の異議申立ての申請をすることができます。
【車道】
道路のうち縁石線あるいは柵その他これに似た工作物、または道路標識を用いて車両の通行のために区画された部分をいいます。
【車両】
自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスのことをいいます。
【車両通行帯】
車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されているときに当該道路標示により示されている道路の部分をいいます。
【住宅街・商店街等】
人の横断・運行が激しいか、又は頻繁に予測される場所を想定しています。工場、官庁街等における出退社の時刻、生活ゾーン、スクールゾーンも含まれます。
【消極的損害】
被害者が被った損害のうち以下のものを言います。
休業損害
逸失利益
【消滅時効】
時効期間の経過により損害賠償などを請求する権利が消滅することをいいます。
【徐行】
車両がただちに停止することができるような速度で進行することをいいます。
【信号機】
電気により操作され灯火により交通整理等のための信号を表示する装置。
【進行妨害】
車両等が進行を継続し又は始めた場合においては、危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し又は始めることをいいます。
【身体障害者用の車いす】
身体の障害により歩行が困難な者の移動の用に供するための車いす(原動機を用いるものにあつては、内閣府令で定める基準に該当するものに限る。)のことをいいます。
【進路変更】
車線の変更、同一車線内において左右に方向を変えることをいいます。
【生活費控除率】
被害者が生存しているとき、 衣食住などの生活費を控除するための割合のことをいいます。
【責任能力】
自分が行った不法行為の責任を判断できる能力をいいます。
【責任無能力者】
自分が行った不法行為の責任を判断できる能力がない人のことをいいます。
【積極損害】
被害者側がその事故により、現実に支払った治療費などのことをいいます。
【ゼブラゾーン】
交差点等において通行する車両を誘導するために設置されるものをいいます。
【前照灯、車幅灯、尾灯、非常点滅表示灯、駐車灯】
車両が夜間、道路にあるときに点けなければならない灯火。
【素因減額】
被害者に心因的要因及び身体的要因(既往症など)がある場合、実際に生じた損害が、その事故によって通常発生するだろうと考えられる損害の程度と範囲を超えるとして、その拡大損害部分については損害賠償額が減額されること。
【相当】
同一系列にある複数の後遺障害を一つの等級に格付けするためにまとめる方法のことをいいます。
【訴訟】
裁判所によって下される最終的な判断である判決を求めるために、当事者が裁判所にする手続きをいいます。
【損害賠償】
違法行為を行った人が損害を受けた人にその損害の埋め合わせをすることをいいます。
【損害保険料率算出機構】
自賠責保険に関する調査を、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所が行っています。
た行
【単車】
原動機付自転車、大型自動二輪車、普通自動二輪車のことをいいます。
【駐車】
車両が継続的に停止すること又は車両が停止し、車両の運転をする者がその車両を離れてただちに運転することが出来ない状態にあることをいいます。
【調停】
紛争の当事者間に裁判所が入り、紛争を双方の譲歩によって解決する手続きをいいます。
【直近右折】
直進車の至近距離で右折する場合のことをいいます。
【定期金賠償】
定期的に賠償金を受け取る制度。
【停止表示器材】
自動車の運転者は高速道路において、故障その他の理由により本線車道若しくはこれに接する加速車線、減速車線若しくは登坂車線またはこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなった場合に、これを使って停止していることを表わさなければなりません。
【停車】
車両等が停止することで、駐車以外のものをいいます。
【転回】
進行方向とは逆の方向に進行する目的で行なわれる方向転換のことをいいます。
【搭乗者傷害保険】
保険を契約した車に搭乗中の運転者や同乗者が事故により死傷した場合に備える定額の傷害保険。
【登坂車線】
登り勾配の道路において著しく速度が低下する車両を他の車両から分離して通行させることを目的とする車線のことをいいます。
【同幅員の交差点】
一方に一時停止標識がある場合を除く、一方の道路が優先道路又は広路以外の交差点のことをいいます。
【道路】
道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路、道路運送法(昭和26年法律第183号)第2条第8項に規定する自動車道及び一般交通の用に供するその他の場所。
【道路外出入車】
道路外の施設等へ出入りする車両をいいます。
【道路標識】
道路の交通に関して規制又は指示を表示する標示板。
【トロリーバス】
架線から供給される電力、かつレールによらずに運転する車をいいます。
な行
【任意一括払い制度】
自賠責保険から支払われる分も任意保険会社が立て替えて支払う制度。
【任意保険】
自賠責保険を補完するために任意で加入する保険。
は行
【早回り右折】
交差点の中心の直近の内側を走行しない右折のことをいいいます。
【被害者請求】
後遺障害等級認定やその他自倍責の請求を被害者の側から行うことをいいます。
【被保険者】
保険事故が発生したときに保険金の支払いを受ける権利を有する者。
【法50条違反の交差点進入】
前方車両の状況により交差点に入ると当該交差点内で停止することとなり交差道路における車両の通行の妨害となるおそれがある場合に交差点に進入することをいいます。
【歩行者用道路】
道路標識等により車両の通行が禁止されていることが表示されている道路。
【補佐】
精神上の障害などのために 本人の判断能力が特に不十分な場合に、家庭裁判所が審判で補佐人を選定する手続きのことをいいます。
【歩車道の区別あり、なし】
歩車道の区別のある道路とは、歩道及び歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯と車道と区別のある道路をいいます。「歩車道の区別なし」とは、それ以外の道路であることを意味します。
【補助】
精神上の障害などのために 本人の判断能力が不十分な場合に、家庭裁判所が審判で補助人を選定する手続きのことをいいます。
【歩道】
道路のうち縁石線あるいは柵、またはこれに似た工作物を用いて歩行者の通行のために区画された部分のことをいいます。
【填補】
不足・欠損をおぎなうこと
【本線車道】
高速道路又は自動車専用道路の本線車線により構成する車道のことことをいいます。
ま行
【無過失責任】
故意または過失がない場合でも損害が発生した時に負う損害賠償責任のことをいいます。
【免責】
特定の事由により保険事故が発生した場合、保険会社が保険金の支払義務を免れること。
【免責金額】
保険事故により損害が生じた際の被保険者の自己負担額のこと。
や行
【優先道路】
優道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の運行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路のことをいいます。
【四輪車】
大型自動二輪車、普通自動二輪車を除いた自動車をいいます。
ら行
【労働喪失率】
後遺障害があることにより労働能力が喪失した割合のことをいいます。
【路肩】
車道に接続して設けられている帯状の道路の部分のことで、道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保ちます。
【路側帯】
歩道が設置されていない道路又は道路で歩道が設置されていない側の路端寄りに設けられた道路の部分のことをいいます。これは道路標識によって区画されており、歩行者のためにあります。
【路面電車】
レールにより運転する車のことをいいます。
わ行
【割込み】
車両と車両との間に無理に進入することをいいます。
アクセス
【電車でお越しの場合】
JR:「元町」駅西口より西へ徒歩5分
神戸高速鉄道:「花隈駅」東口から南に徒歩2分
【自動車でお越しの場合】
阪神高速「京橋」出口より2号線へ。信号「中央突堤」にて右折し4つ目の信号で左折してください。
200メートル直進、左手ライオンズプラザに当事務所がございます。