頸髄損傷等は否定されたが、60%の労働能力の喪失が認められた事例

頸髄損傷等は否定されたが、60%の労働能力の喪失が認められた事例

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第三腰椎圧迫骨折について、第三腰椎の椎体の前方の高さが後方の椎体と比べてわずかに減じてる事は認められるものの、右腰部レントゲン単純撮影の結果は、同時に撮影された他の方位からの同部位の撮影結果と照らし合わせてみると、第三腰椎に圧迫骨折があることを証明するものではないこと、この程度の第三腰椎の変形は加齢よっても生じるものであり、外傷によるものとの区別は困難であって、もしこれが外傷性のものであったとしても、数カ月以内には骨癒合が生じ、痛みがなくなるものであり、本来ならば先述のような腰椎の変形によって神経の障害が発生する事はない等を理由として、腰椎圧迫骨折を否定し、脊髄損傷を認めなかった。

しかし、本件事故以前より頸椎の後縦靭帯骨化症や進行性の変形性頸椎症を患っており、神経症状が起こりやすい状態だったとはいえども、健常者として問題なく稼働していたものが、本件事故により頸椎損傷、頸椎捻挫といった傷害を受け、これにより頸椎後縦靭帯骨化症や変形性頸椎症が生じたとされ、60%の労働能力喪失が認められた。

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