『30年前の事故で1億円賠償 頭強打、成人後に障害判明』
スポニチ社会面、ネットニュースの情報です。
概要は、以下のとおり
○事故 30年前
○被害者 当時1歳 現在31歳(男性)
○事故内容 鉄道の高架橋のコンクリートが落下し頭を強打
○後遺障害 成人後の2009年に『高次脳機能障害』と判明、専門学校卒業後知的障害4級と認定
○判決 1億6500万円の支払い命令
○争いなし 障害の原因
○争点 損害賠償請求権の時効
○裁判所の判断 2009年の検査までは後遺障害を認識できなかった、よって時効成立しない。
といった内容です。
この高次脳機能障害という傷病は、労災、自賠責上 症状の重い順に 1級、2級、3級、5級、7級、9級とされています。しかし、この被害者の方の症状の程度がどの程度か詳細には記事からは読みとることができませんが、私の経験上9級程度ではご本人とお話しをしていても、普通に会話が成り立ち、一見判別がつかないという印象です。
そのため、日常的に生活をともにされているご家族、また職場の方や友人が今までと様子が違うなと思われたら、この傷病を疑ってみることが必要かと思われます。徐々に進行する可能性もあるため、他の後遺症とは扱いが異なります。
法律上は、10年で時効が成立しますが、高次機能障害のような場合は、本人は自覚がなかったり、周囲の方たちも性格変化などはわかるものの、事故での後遺症とまでは分からないといったこともあり、見過ごしがちかもしれません。
ポイントとしては、事故直後に数日、意識障害があればこの傷病を発症する可能性が高いといわれています。
詳しくは『高次機能障害とは?』をご覧ください。